【コスメコンシェルジュ直伝】乾燥肌・敏感肌な私のスキンケアの選び方
人により異なる肌質。なかでも、乾燥肌や敏感肌の人の場合は、ちょっとした刺激が肌トラブルにつながる場合も珍しくないため、スキンケアで悩むことも多いのではないでしょうか。
何を隠そう筆者も、長年、乾燥肌・敏感肌でスキンケア選びに苦労してきたひとりです。そんな筆者ですが、約6年前にほぼ知識ゼロの状態から美容のいろはを学び、コスメコンシェルジュ資格を取得。その後は、昔よりもスキンケア選びが楽しくなりました。
今回は、そんな乾燥肌・敏感肌で悩む筆者が、普段のスキンケア選びで意識しているポイントをご紹介。少しでも私と同じ悩みをもつ方の参考になれば嬉しいです。
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書いた人
LISA
<プロフィール>
2011年よりライター活動開始。コスメコンシェルジュ資格取得後、美容ライターとしても活動を開始する。
スキンケアを中心に数多くの美容コラムを執筆。一人ひとりの肌質や生活スタイルを想定したうえで、適切なケア方法を導き出すコラムを得意とする。
プライベートでは、デパコスからプチプラコスメ、ドクターズコスメ、海外コスメなど、ジャンルを問わずに気になったアイテムはすぐに試すスキンケアオタク。
不規則な食生活が続きがちで、健康維持はもっぱらサプリメントに頼りがち。
<所有資格>
・日本化粧品検定1級
・コスメコンシェルジュ
乾燥肌・敏感肌におすすめのスキンケアの選び方 ~ポイント編~
美容好きとしては、新商品は常にチェックしたいと思う反面、実際に試して肌に合わなかったらどうしようという不安は付き物です。そんな時、真っ先に私がチェックするポイントについてまずご紹介します。
◆全成分表示
化粧品のパッケージや外箱に記載されている全成分表示には、配合量の多い順から前の方に記載し、1%以下は順不同で記載ができるというルールがあるため、この全成分表示をもとに、まずは自分の肌に合う成分が配合されているかをチェックするのもおすすめです。
筆者の場合は、化粧品を構成するベース成分(前の方に記載されている成分)では、比較的、乾燥肌や敏感肌でも使用しやすい「BG」や「グリセリン」が表記されているものを主に選びます。
また、特に乾燥が気になる時は保湿成分である「ヒト型セラミド(セラミドEOP、セラミドNG、セラミドNP、セラミドAPなど)」、肌荒れが気になる時は抗炎症作用のある「グリチルリチン酸2K」や「グリチルレチン酸ステアリル」が配合されている商品を選び、反対に肌刺激となりやすい「エタノール」が前の方に表記されているスキンケアは極力避けるようにしています。
なお、医薬部外品の場合は、全成分表示の義務はないため、有効成分として「*」が付いて記載されている成分が、乾燥肌や敏感肌にとって、刺激が強すぎないかを確認して選ぶと良いかもしれませんね。
◆メーカーの公式HP
スキンケアを選ぶ時は、値段、ブランド、キャッチコピー、パッケージデザインなどももちろん参考にします。同時に併せてチェックするのが、メーカーの公式HPです。
意外と目にする機会が少ない各メーカーの公式HPですが、HP内には、メーカーのコンセプト、商品開発への想い、スキンケアの製造実績、こだわりの処方や成分などの情報が盛りだくさん。さらには、どの年代や肌悩みをもつユーザーをターゲットにしているかなどもわかるため、各メーカーが展開する商品と自分の肌悩みとの相性もチェックできます。
特に乾燥肌や敏感肌向けに、研究・開発を行っているメーカーであれば、初めて使用する化粧品であっても、比較的安心して手に取ることができます。
◆SNS等の口コミ
正直なお話をすると、以前まで筆者は、情報の真偽がわかりにくいため、SNS等の口コミはあまり参考にしていませんでした。
しかし、2023年10月より、企業から広告・宣伝の依頼を受け、SNS等で商品を紹介する場合は、広告・宣伝である旨を記載しなければいけない「ステマ(ステルスマーケティング)規制」の施行が開始されました。この規制により、口コミ内容が企業案件のPRかどうかを見定めやすくなったのです。
もちろん、実際の消費者の声であっても、肌質は十人十色なので口コミを100%信じることはありませんが、以前よりかは「乾燥肌や敏感肌の人からの評価が高い商品であるなら、一度試してみよう」など、スキンケア選びの参考材料のひとつとして意識するようになりました。
乾燥肌・敏感肌におすすめのスキンケアの選び方 ~アイテム編~
一言でスキンケアといっても、クレンジングから洗顔、化粧水、日焼け止めまで、様々なアイテムがあります。そこでアイテムごとで意識している選び方についても紹介しますね。
◆クレンジング剤・洗顔料
乾燥肌や敏感肌にとっては、余分な皮脂やうるおいを洗い流さないためにも、落とすケアは特に注意したいポイントだと思っています。
なかでも、多くのクレンジング剤や洗顔料に使用される石けん系界面活性剤は、泡立ちも良く、洗いあがりがすっきりする反面、洗浄力と脱脂力が高いため、乾燥肌や敏感肌の方が毎日使用すると、肌負担になってしまう可能性も…。
そのため、基本的には、アミノ酸系(ココイルグリシンK、ココイルグルタミン酸Naなど)や両性界面活性剤(コカミドプロピルベタイン、ココアンホ酢酸Naなど)を配合したクレンジング剤や洗顔料を使用。そして、ウォータープルーフの日焼け止めやばっちりメイクをした日のみ、石けん系界面活性剤を配合したクレンジング剤を使用し、汚れを残さないという使い分けを実践しています。
少し洗面台の場所はとってはしまいますが、状況に合わせて選べるように複数のクレンジング剤や洗顔料を常備しておくと、このように状況に応じて適した落とすケアを実践できますよ。
◆スキンケア
年齢的にも、エイジングケア*はしっかり行いたい!……とは思うものの、乾燥肌や敏感肌にとって、エイジングケア*向きの攻めの成分が配合された化粧品は、肌状態によっては、刺激となる場合もあります。
そこで筆者の場合は、普段は乾燥肌・敏感肌向けで、なおかつ保湿に特化した化粧水、美容液、クリームの3点のみのシンプルケアを実践。まずは、肌の土台を整える環境づくりを一番に意識しています。
そして、肌の状態を見ながら、定期的にエイジングケア*向けの成分を配合した美容液やシートパックなどのスペシャルケアを投入。乾燥肌や敏感肌にとっては、まず健やかな肌を維持することがなによりも大切だと感じているため、無理にエイジングケア*を取り入れるのではなく、肌状態に合わせて、楽しく年齢に応じたお手入れを楽しむことを大切にしています。
*年齢に応じたお手入れ
◆日焼け止め
365日欠かせない日焼け止めは、肌状態や使用感、その日の紫外線の強さに合わせて選べるよう、常に複数のアイテムを常備しています。
たとえば、肌トラブルも特にない状態で、メイクに力を入れたい日は、使用感第一!スキンケア感覚としても使え、メイク前にも使用しやすい紫外線吸収剤を配合した日焼け止めで、仕上がりの良さを重視します。
反対に月経前や季節の変わり目など、肌が普段よりも敏感になりがちな時は、極力刺激を避けられる紫外線散乱剤を配合した日焼け止めを使用。紫外線散乱剤は白浮きしやすいと言われますが、最近はトーンアップ効果に期待できる商品も多く展開されています。
そのため、あえてファンデーション等を使わず、紫外線散乱(ノンケミカル)の日焼け止めのみで肌ムラをカバー。日焼け止め1本のノーファンデメイクを実践することで、日中はもちろん、クレンジングや洗顔時の肌負担も減らすように心がけています。
乾燥肌・敏感肌におすすめのスキンケアの選び方 ~試し方編~
スキンケア選びを慎重に行っても、いざ初めて使用するとなると少しドキドキしてしまいますよね。そんな時におすすめしたい試し方についてもご紹介します。
◆成分同士の組み合わせを重視
スキンケアアイテムに配合されている成分同士には、相性の良さもあります。初めて使用する化粧品の肌刺激が心配な時は、成分同士の相性も考えながら、スキンケアを行ってみるのもおすすめです。
たとえば、マルチに働くことで人気のビタミンCですが、乾燥肌や敏感肌にとっては、少し刺激が心配な成分でもあります。そんな時は、トラネキサム酸との併用がおすすめ。併用することにより相乗効果を得られるだけでなく、トラネキサム酸がビタミンCの刺激を極力抑えてくれるというメリットに期待ができます。
また、乾燥肌や敏感肌向けのアイテムによく配合されるセラミドは、ミネラルオイルと併用することで水分蒸散抑制力を高めたり、フラーレンと併用することで働きを強化したりと、万能な成分。そのほかにもヒアルロン酸や水溶性ビタミンC誘導体(ビスグリセリルアスコルビン酸)などとも相性が良いので、新しいスキンケアアイテムを試す時には心強い味方になってくれますよ。
◆初めて使用するスキンケアアイテムは朝一の肌状態をチェック
初めて使用するスキンケアアイテムは、使用量をはじめ、適切な量や塗り方がわからない場合もあります。そんな時は、まず翌朝の肌状態を一番にチェックするようにしています。
もしも、起床時に肌が乾燥した状態である場合は、スキンケアアイテムの量が足りないか、もしくは肌状態に対してスキンケアアイテムの油分自体が足りていない可能性も。反対にベタつきが気になる場合は、スキンケアアイテムの量が多すぎる可能性があります。
理想は、朝一番の頬を軽く触ってペタッとする感触。そのように起床時の肌状態を見ながら、毎晩コツコツとスキンケアアイテムの量を調整していくと、自分に適切な量や塗り方を早く知ることができますよ。
自分なりのスキンケアの選び方を見つけよう!
乾燥肌や敏感肌にとって、大きな悩みの種ともなりがちなスキンケア選び。筆者自身も、これまで数々の失敗を繰り返してきたため、「スキンケア選びにちょっと疲れてしまった」「スキンケア難民になってしまった」という気持ちも痛いほどわかります。
そんな乾燥肌や敏感肌の人にとって、少しでも筆者のスキンケア選びが参考になれば嬉しいです。また、少し時間はかかるかもしれませんが、自分なりのスキンケア選びのルーティンを見つけて、今まで以上にスキンケアを楽しむ方がひとりでも多く増えてくれればと思います。
【参考文献】
・美容成分キャラ図鑑(西東社)
・正しく知る・賢く選ぶ美容成分大全(ナツメ社)
・効果的な「組み合わせ」がわかる化粧品成分事典