【コスメコンシェルジュ直伝】花粉ダメージで肌荒れするのはなぜ?肌トラブルに負けないスキンケア方法

2月から4月にかけての春先は、スギやヒノキをはじめとした花粉の飛散が始まる時期でもあります。毎年花粉シーズンになると、普段とは違う肌荒れに悩まされる人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は花粉により肌荒れが起きる原因について解説。本格的な花粉の飛散が始まるまでに行いたいおすすめのスキンケア方法についてもご紹介します。

この記事を書いた人
LISA
この記事を書いた人:LISA
<プロフィール>
2011年よりライター活動開始。コスメコンシェルジュ資格取得後、美容ライターとしても活動を開始する。
スキンケアを中心に数多くの美容コラムを執筆。一人ひとりの肌質や生活スタイルを想定したうえで、適切なケア方法を導き出すコラムを得意とする。
プライベートでは、デパコスからプチプラコスメ、ドクターズコスメ、海外コスメなど、ジャンルを問わずに気になったアイテムはすぐに試すスキンケアオタク。
不規則な食生活が続きがちで、健康維持はもっぱらサプリメントに頼りがち。
<所有資格>
・日本化粧品検定1級
・コスメコンシェルジュ
花粉で肌荒れする原因とは?主な肌トラブルの症状
花粉で肌荒れが起こるのには、“ゆらぎ肌”と呼ばれる肌状態が関係しています。このゆらぎ肌とは医学的な定義はないものの、一般的に季節の変わり目や月経前などに肌のバリア機能が一時的に低下する状態のことを指します。
冬から春にかけての時期は気温も安定せず、空気も乾燥しやすいため、ゆらぎ肌になりやすいタイミングでもあります。ゆらぎ肌により肌のバリア機能が低下すると、肌表面に付着した花粉ダメージも受けやすくなるため、様々な肌トラブルが起きてしまうのです。
なお花粉により肌荒れが起こる症状は、一般的に「花粉皮膚炎」とも呼ばれます。
① 赤みや火照り
花粉ダメージにより肌が炎症を起こすと、毛細血管が拡張。血管が透けて見えることで肌全体に赤みがあらわれます。また毛細血管の拡張により血流が増加すると、熱を持つことで肌全体が火照る場合もあるのです。
② ヒリつき
通常、バリア機能が整った状態であれば、肌に花粉が付着しても大きな肌トラブルは起こりません。しかしバリア機能が低下した肌は外部刺激を受けやすい状態。花粉が肌に付着することで知覚神経が刺激され、ヒリつきがでる場合もあるでしょう。
③ かゆみ
花粉の刺激により肌に炎症が起こると、刺激物質を排除しようと肌内部で様々な物質が働き始めます。これらの物質が知覚神経に触れることで、かゆみが発生するケースもあります。
花粉に負けない肌作り!おすすめのスキンケア方法
花粉による肌トラブルを防ぐためには、花粉の飛散量が増える時期に向けて、肌のバリア機能を整えることが大切です。春先に向けてのスキンケアでは、花粉ダメージに負けないための肌作りを意識しましょう。
① スキンケアは水分量よりも配合成分を重視する
肌のバリア機能は角質層がうるおいで満たされることにより整えられます。毎日のスキンケアでは、角質層にしっかり水分を与えることが大切です。
とはいえ、角質層は約0.02mmと薄い層であるため、浸透できる水分量も限られています。化粧水を何度も重ね付けするお手入れ自体にはあまり効果がないのですね。角質層にしっかりうるおいを届けたい時は、水分量ではなく、配合成分を重視しましょう。
おすすめは保水力(角質層内の水分を抱え込む力)に期待ができる美容成分です。保水力の高さに期待ができる代表的な成分には、セラミドやヒアルロン酸があります。化粧水や美容液などうるおいを与える目的で使用するアイテムでは、これら保水力の高い成分を配合したアイテムを取り入れてみてくださいね。
② 肌刺激を防ぐミスト化粧水でお手入れを行う
コットンや手のひらで化粧水をなじませるお手入れは、丁寧に行っても肌との摩擦自体は避けられないため、やり方によっては肌負担になる場合があります。そんな時に役立つのがミスト化粧水です。
ミスト化粧水は肌に直接触れることなく、顔全体にうるおいを与えられるアイテムであるため、スキンケア時の余計な摩擦ダメージを防ぐことができます。花粉シーズンに入る前のスキンケアでは、ミスト化粧水を肌全体に吹きかけたあと、ハンドプレスで軽くなじませるお手入れもおすすめです。
なお保湿効果を高めるためにも、ミスト化粧水を選ぶ時は、セラミドやコラーゲンなど保湿力に期待できる成分が配合された商品を手に取るようにしましょう。
③ 細胞賦活(ふかつ)作用をもつ美容成分を取り入れる
細胞賦活とは細胞の働きを活性化し、ターンオーバーを促進することでバリア機能を正常に整える作用のことを指します。花粉の飛散が始まる前のスキンケアでは、この細胞賦活作用をもつ美容成分を取り入れ、健やかな肌を目指すお手入れを行うのもおすすめです。
細胞賦活作用をもつ成分のなかでも特に有名なのが、肌荒れ防止の有用成分でもあるナイアシンアミドです。ナイアシンアミドにはセラミド等の合成を促し、肌のバリア機能を正常に整える働きに期待ができます。
そのほかにもパンテノールやアラントインなども細胞賦活作用をもつ成分の一種なので、スキンケアではこれらの成分を配合した化粧品を取り入れてみてくださいね。
④ 目元にはビタミンE配合のアイクリームがおすすめ
顔の中でも特に皮膚が薄い目元は乾燥しやすく、バリア機能も低下しやすい部位。特に春先は花粉ダメージにより、赤みやかゆみが出やすいパーツでもあるのです。
そんな目元にはビタミンE配合のアイクリームを取り入れるのがおすすめです。
ビタミンEといえば、血行促進に効果的なことで有名な成分ですが、実は肌荒れ防止にも期待ができます。血行促進により新陳代謝を促しつつ、ターンオーバーを整えることで肌荒れも防いでくれるので、花粉対策を行いたい時の目元ケアとしては、まさにぴったりの美容成分でもありますよ。
⑤ 刺激が強いスキンケアアイテムは避ける
花粉シーズン直前は、普段以上に丁寧なスキンケアでバリア機能を正常に整えることがなによりも大切です。そのため刺激が強いスキンケアアイテムの使用はなるべく避けるようにしましょう。
肌刺激が強いスキンケアアイテムを使用することにより、肌にとって必要な皮脂やうるおいはもちろん、未熟な角質まで落とすことでバリア機能が低下する可能性もあります。
なかでもふき取りタイプのメイク落とし、スクラブ洗顔、ピーリングクリームなどは特に肌刺激が強いスキンケアアイテムです。花粉が飛散する直前から飛散中の時期は、これらのスキンケアアイテムを極力使わない方がおすすめです。
花粉ダメージに負けない肌作りを行おう
花粉の時期はくしゃみや鼻水だけでなく、肌荒れによるトラブルに悩まされる人も少なくはありません。そんな花粉ダメージにより肌トラブルを防ぐためには、花粉の飛散が始まる前からのスキンケアがとにかく重要です。毎日のお手入れのなかでは、健やかな肌を維持するためのケアをぜひ取り入れてみましょう。
【参考文献】
・効果的な「組み合わせ」がわかる化粧品成分事典(池田書店)
・美容成分キャラ図鑑(西東社)
・正しいスキンケア事典(高橋書店)