【コスメコンシェルジュが解説】新年度の環境変化で肌が敏感に!自律神経と美肌の深い関係

家族の入学や卒業、就職、転職、引っ越しなど、新年度は新生活による環境の変化が増える時期でもあります。ワクワクする出来事が増える反面、疲れから心身の不調や肌荒れなどに悩まされる人もいるのではないでしょうか。
そんな新年度にこそ意識したいのが自律神経です。今回は自律神経と美肌の深い関係について解説。自律神経が乱れた時に実践したい生活習慣についてもご紹介します。

この記事を書いた人
LISA
この記事を書いた人:LISA
<プロフィール>
2011年よりライター活動開始。コスメコンシェルジュ資格取得後、美容ライターとしても活動を開始する。
スキンケアを中心に数多くの美容コラムを執筆。一人ひとりの肌質や生活スタイルを想定したうえで、適切なケア方法を導き出すコラムを得意とする。
プライベートでは、デパコスからプチプラコスメ、ドクターズコスメ、海外コスメなど、ジャンルを問わずに気になったアイテムはすぐに試すスキンケアオタク。
不規則な食生活が続きがちで、健康維持はもっぱらサプリメントに頼りがち。
<所有資格>
・日本化粧品検定1級
・コスメコンシェルジュ
自律神経と美肌の関係とは?
自律神経とは体をベストな状態に保つために働く神経のひとつです。自律神経には交感神経と副交感神経があり、この2種類の神経がバランスよく働くことにより、私たちの体はコントロールされているのです。
また交感神経と副交感神経は、片方の神経が優位に働くことで体にも様々な影響を与えます。
通常であれば、交感神経と副交感神経のバランスがうまく保たれているため、体はもちろん、肌にも良い影響を及ぼします。しかし、ストレスを過度に受けた状態では交感神経が優位に働くため、血管が縮小することで血流が悪くなったり、消化活動が抑制されることで体調が悪化したりなど、心身に不調をきたす可能性があるのです。
また交感神経が優位な状態が長く続くと、肌の機能も低下し、肌荒れにつながります。特に慢性的なストレスはバリア機能の低下やターンオーバーの乱れに大きく影響するため、ストレスをためないことが美肌づくりにつながるのですね。
春先の新年度は入学や卒業、就職、転職、引っ越しなど生活環境が大きく変化し、何かとストレスを感じやすい時期。自律神経の乱れも起きやすいため、普段以上にストレスをためない生活を意識するようにしましょう。
<春はストレスホルモンにも注意が必要>
ストレスを感じやすい新年度は、自律神経の乱れだけでなく、ストレスホルモンにも注意したい時期です。
というのも私達の脳はストレスを感じると、ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールを分泌します。このコルチゾールは本来であれば、血糖値や血圧をあげたり、免疫を調整したりする働きがあるため、ストレスに対抗するために必要な存在です。
しかし新生活は通常以上にストレスを受けやすい時期であるため、コルチゾールの量も増加しがち。コルチゾールが増えすぎると、肌のうるおいにとって欠かせないフィラグリンが減少。コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などの合成をおさえることにより、乾燥をはじめ、シワやたるみなどの肌トラブルを招く可能性も!
新年度はストレスによる自律神経の乱れと併せて、ストレスホルモンの過剰分泌にも注意しましょう。
新年度に実践したい自律神経の整え方
新年度は自律神経が乱れやすい時期であるからこそ、規則正しい生活を送ることが重要になってきます。生き生きとした毎日を過ごすためにも、睡眠や食事、運動などの習慣を意識してみましょう。
① 就寝前の習慣を整えて質の良い睡眠をとる
自律神経を整えるうえで欠かせないのが、質の良い睡眠です。特に就寝前の強い刺激は睡眠の妨げになるため、眠る前の暴飲暴食や飲酒、カフェインの摂取などは極力控えるようにしましょう。
また夜に強い明りを浴びると、睡眠を安定させるために欠かせないメラトニンが分泌されなくなるため、就寝前はリビングや寝室を暖色系の明かりにし、就寝時にはしっかり照明を落とすことも大切です。
なおラベンダー、マンダリン、カモミールなどの香りには精神を安定させる効果があるので、寝室ではこれらの香りをアロマオイルとして取り入れるのもおすすめですよ。
他にも、睡眠の質向上をサポートする機能性表示食品を摂り入れるのもおすすめ!いつもの生活にプラスするだけなので、手軽に始められます。
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② 起床後にすぐカーテンを開ける
私たちの脳は緊張やストレスを感じると、神経伝達物質でもあるセロトニンを分泌し、自律神経のバランスを整えるための働きを行います。ただ、このセロトニンは月経前や更年期に不足しやすい物質でもあります。そのため自発的にセロトニンを分泌させる習慣も大切になってくるのですね。
セロトニンの分泌を促すためにも、起床後はすぐにカーテンを開け、朝の光を浴びましょう。光を浴びることにより、セロトニンの分泌が促されます。
またセロトニンは睡眠を促すために必要なメラトニンの原料にもなる物質です。朝にセロトニンを分泌させることで、14~15時間後にメラトニンの分泌が始まるため、結果的に質の良い睡眠にもつながりますよ。
③ 幸せホルモンを増やす
体の様々な動きを調整するホルモンのなかには、ストレスを軽減する“幸せホルモン”と呼ばれるものもあります。ストレスで自律神経が乱れている時は、この幸せホルモンを増やす習慣も意識してみましょう。
なかでも代表的な幸せホルモンでもあるオキシトシンには、ストレスや痛みを和らげたり、肌のターンオーバーを促したりする効果に期待ができます。一般的にはハグやマッサージなどのスキンシップにより、増加するとも言われています。
またそれ以外にも運動やストレッチをしている時や自分が好きなことをしている時にも増えるホルモンでもあるので、日々の生活の中では体を動かしたり、趣味に没頭したりできる時間をつくるようにしましょう。
④ ぬるめのお風呂でリラックスする
毎日の入浴には体の洗浄や疲労回復以外にも、リラックス効果に期待ができます。ストレスで自律神経が乱れがちな時は、少しぬるいと感じる程度のお風呂につかるのがおすすめです。
ぬるめのお湯は副交感神経を優位にします。ストレスがたまりがちな時は、38~40度程度のお湯に20分以上浸かる習慣を身につけるようにしましょう。目安としては額が少し汗ばむ程度まで浸かり続けるのがポイントです。
⑤ 発酵食品や食物繊維を摂取する
ストレスを感じ、自律神経が乱れるとお腹の調子が悪くなる人もいるかと思います。実は脳と腸は互いに影響を受けやすい関係(脳腸相関)であるため、脳がストレスを感じると、腸にも刺激が伝わるのです。自律神経が乱れている時は腸内環境を整えることも大切なのですね。
なかでも発酵食品や食物繊維は、腸に良い影響を及ぼすことでも知られる食材です。新生活を過ごすなかでは、日々の食事で納豆やヨーグルト、さつまいも、玄米などを積極的に摂取するようにしましょう。
新生活は自律神経も意識して過ごそう
新しい出会いが増え、環境も変わりやすい時期である春は、新生活による楽しさと疲れを同時に感じやすい季節でもあります。そんな時期だからこそ、心身に不調をきたしたり、肌荒れを起こしたりしないためにも、普段から自律神経を整えるための習慣を意識して過ごしてくださいね。
【参考文献】
・日本化粧品検定2級3級対策テキスト(主婦の友社)
・医者が教える人生が変わる美容大事典(KADOKAWA)
・正しい酸いんケア事典(高橋書店)