敏感肌じゃなかったのに最近荒れやすい人へ。肌質ではなく状態を見る習慣を意識してみよう。
「何年間も使い続けていた化粧品が、急に合わなくなった」
「昨日まで問題なく使えていた化粧水が、今日はなぜだか肌に染みる」
「鏡を見るたびに赤みが増えている気がして、少し不安に感じている」
そのようにほんの些細なきっかけが原因で「実は私って、敏感肌だったのかな?」と不安を抱く人は、意外と多くいます。なにより、お手入れ方法を変えたわけではないのに、突然肌に変化が生じると、誰だって動揺してしまいますよね。
でも大丈夫。最近急に肌が荒れやすくなったのには、ちゃんとした理由があるのです。
“敏感肌になった”と誤解しやすい理由
肌が荒れやすくなると「いよいよ敏感肌になってしまったのだ…」と思い込んでしまいがちですが、実は必ずしもそうとは限らないのです。急な肌荒れが起こるのには、いくつかの原因があります。
① バリア機能の低下

まずみなさんに想像してほしいのですが、お風呂の湯船に長時間浸かっていても、肌の内側にお湯が浸透することはありませんよね。実はそれ、肌表面でバリア機能が働いているからなのです。
私たちの肌表面では、肌を守るためのバリア機能が正常に働いていることにより、肌内部に水や異物が侵入するのを防いでいます。
しかし、このバリア機能は年齢や体調、季節の変わり目など様々な要因により、一時的に弱まってしまう場合も。何らかの原因でバリア機能が低下すると、今までは平気だった小さな刺激にも反応しやすくなるのです。
肌が荒れやすくなったのは、そんなバリア機能の低下が原因かもしれません。間違っても、ある日突然、敏感肌になったというわけではないので安心してくださいね。
② 一時的なゆらぎ肌

突然肌が敏感になった時、まず疑ってほしいのが、誰もが一度は耳にしたことがあるであろう“ゆらぎ肌”です。
ゆらぎ肌とは、その名の通り、一時的に肌がゆらいでいる状態のこと。その原因もさまざまで、季節の変わり目やストレス、花粉、紫外線、スキンケアのやりすぎなどにより、肌が一時的に不安定になる場合があります。
肌状態がゆらいでいると、外部からの刺激も受けやすくなるため、いつも使っている化粧品が肌に染みるなんてことも。言い換えれば、もともとの肌質が敏感になったわけではなく、“今この時期だけ、肌が揺らいでいる状態”なので、過度な心配は不要ですよ。
肌荒れを加速させる日常的な要因とは?
突然の肌荒れは、毎日の何気ない習慣により起こる場合もあります。
① 洗いすぎやこすりすぎのケア

急に肌が荒れると「きちんと汚れを落とさなきゃ」「しっかり化粧水を浸透させなきゃ」と、自分自身にプレッシャーを与えてしまいがち。そのため、知らず知らずのうちに洗顔やスキンケアで肌に触れる回数が増えている場合もあるかもしれません。
洗顔料の泡立てが足りないまま顔を洗ったり、タオルで水分を拭き取るときにゴシゴシとこすったり。スキンケアでも化粧水を何度も重ねたり、手で押し込むようになじませたりしてしまうこともあるのではないでしょうか。
ただ、ひとつひとつは何気ない小さな動作でも、肌が揺らいでいるときには刺激として積み重なります。「いつもより丁寧なケアをしているつもり」が、実は肌に刺激を与えている可能性もないとはいえないのですね。
② 乱れた生活習慣

寝る時間が遅い日が続いたり、食事を簡単に済ませてしまう日が増えたり。忙しい現代社会のなかでは、どうしても仕事や家事に追われる時間のほうが多く、自分のことは後回しになってしまう時もあります。
とはいえ、肌の生まれ変わりをサポートしつつ、ダメージを修復するのは主に睡眠中です。睡眠時間が足りない日が続くと、十分に肌が修復できず、肌荒れの原因につながる可能性もあります。
また、食事から摂取する栄養が偏ると、肌をつくるための材料そのものが不足しがちに。すぐに肌荒れとしてあらわれるわけではありませんが、偏った食生活が続くことにより、じわじわと肌に影響が及ぶ場合があるということも覚えておきたいですね。
③ 自律神経や女性ホルモンバランスの乱れ

気温差が激しい季節の変わり目や生理前で身体も気持ちも憂鬱な時期、40代以降の更年期中などは、自律神経や女性ホルモンのバランスが普段以上に乱れやすい時です。
女性ホルモンの一種であるエストロゲンは、健やかな肌を保つための働きをするため、ホルモンバランスがゆらいでいると、自然と肌にも影響が及んでしまう可能性もあります。
「理由はわからないけど、なんとなく調子が悪い」なんて感覚があるときは、実は肌もまた、その影響を受けていることが多いのです。
今すぐできる立て直しの考え方
様々な要因により、肌が荒れ気味の時のスキンケアでは“何を足すか”ではなく“何を減らすか”という点に着目してみましょう。
① アイテム数を減らして肌を休ませる

肌荒れがひどい時は「ちゃんとお肌を整えてあげなきゃ」と、ついアイテム数を足したくなりますよね。
しかしこの時期は、免疫力や抵抗力も弱っているので、普段以上に外からの刺激を受けやすくなっています。そのため実はアイテムを足すよりも、減らすことが効果的になる可能性もあるのです。
肌が荒れて、化粧品が染みる時は、いつも通りの重ねるケアは少しお休みして、化粧水とクリームの2点だけなど、今の肌にとって負担にならない、必要最低限のケアを行うのもひとつの選択です。
また、肌が敏感な状態では、いつもは平気な化粧水がしみることもあります。そんなときは無理をせず、クリームやワセリンだけで最低限の保湿をして、しばらく様子を見るのも一つの方法ですよ。
② 肌への刺激を避ける

日々のスキンケアのなかで「しっかりと汚れを落とし、美容成分を浸透させよう」という考えは、とてもすてきです。ただ、スキンケアを頑張る気持ちが強ければ強いほど、無意識のうちに手に力が入ってしまう場合もあります。
特にバリア機能が低下し、肌が荒れている時期は、いつも以上に肌への摩擦を避けたいところ。
そこで意識したいのが“触らない、擦らない、叩かない、伸ばさない”の4つのルールです。
肌が荒れて敏感になっている時は、化粧品をそっと肌に置いて、軽くなじませるだけでも十分なので、いつもより少し力を抜いたスキンケアを意識してみてくださいね。
③ 使用するスキンケアアイテムの見直し

美白*¹やエイジングケア*²のアイテムは、年齢サインが気になり始めた肌にとっては、とても心強い存在です。
ただ、肌が荒れているときには、その強さが、かえって刺激になってしまう場合もあります。特に効果が高いアイテムほど、ゆらいでいる肌には負担になる可能性もないとはいえません。
そんなときは「今はお休みする時期」と考え、普段のスキンケアは一旦封印し、まずは肌の土台を立て直すことを最優先にしましょう。
状態が落ち着けば、以前と同じアイテムがまた使えるようになります。なにより、健やかな肌を取り戻すことができれば、今まで使用していた化粧品を以前よりも心地よく感じられるようになるはずです。
*¹ メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ
*² 年齢に応じたお手入れ
「肌質」より「状態」を見る習慣

私たちitscocoから伝えたいのは、“一度肌が荒れたからといって、「私は敏感肌」と不安にならなくても大丈夫”ということです。
肌の状態は日々変わります。大切なのは、ひどくなったからとスキンケアをやりすぎるのではなく、必要最低限のケアで肌に寄り添ってあげることなのかもしれません。
なにより、きちんとした土台を整えれば、肌はまたあなたの期待に応えてくれます。今は焦らず、比べず、現在の自分の肌と向き合う大切な時間だと思って、毎日のスキンケアを行ってみましょう。
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この記事を書いた人
LISA
この記事を書いた人:LISA
<プロフィール>
2011年よりライター活動開始。コスメコンシェルジュ資格取得後、美容ライターとしても活動を開始する。
スキンケアを中心に数多くの美容コラムを執筆。一人ひとりの肌質や生活スタイルを想定したうえで、適切なケア方法を導き出すコラムを得意とする。
<所有資格>
・日本化粧品検定1級
・コスメコンシェルジュ
【参考文献】
・正しいスキンケア事典(高橋書店)









